こんにちは。

今日は、『たかが給食、されど給食』についてお話しします。

たかが給食、されど給食

学校の給食ってすごく大切ってご存知ですか?

もともともは、子ども達の健康(栄養)面の向上等の理由で始まった給食ですが・・・
現在は、コロナの影響や、食物アレルギーの問題等で、給食の在り方も変化してきています。

そのような状況下でも、給食は『ただの栄養補給』という役割だけではありません。
実は、給食の残飯を見ると、クラスが荒れているか落ち着いているか一目瞭然です!!
その為、毎日栄養士の方と一緒に学年主任などが、残飯をチェックしている学校もあります。

そして、私の経験からも、子ども達の状態と給食の様子や残飯の量は密接に関係していることが分かりました。

落ち着いているクラスは、残飯が非常に少ないか、全くありません。
問題のあるクラスは、残飯が非常に多いです。

なぜか?

中学生くらいになると、周りの目が非常に気になります。
女子がたくさん食べていると、男子にからかわれることもあります。
おかわりをすると、やっぱりからかわれたりします。

また、配膳も子どもが輪番制で行う場合、公平に配膳されないので、クラスで力のある子は好きなメニューをたくさんもらったり、嫌いなものはもらわなかったりするわけで、そんな利益にあずかれない子どもにとっては苦痛でしかなくなります。
特に問題が多いクラスでは、このような勝手な振る舞いも増長されていて、不満を抱える子どもも多くなります。
そして、教師との関係も良くない場合が多いので、子どもは大人(教師)に何か言っても意味がない!という風な考えになり、『それならばやったもん勝ちだ』と益々勝手な行動をする子どもが増えるという、非常に良くない無限ループにはまっていくのです。

その為、給食の時間は決して楽しい時間ではなく、【周りの目を気にして空腹なのに残す子ども】、【苦手な食べ物や口に合わない食べ物は平気で残す子ども】が多くなり、おかわりなどもしないので、残飯が非常に多くなります。

一方で、クラスが落ち着いていると、配膳も公平に行われ、子ども同士でからかうこともないので、子ども達は給食をたくさん食べます。
特に、女子が人目を気にせず食べているクラスは、非常に健康体であると言えます。

このように、給食は、【単に空腹を満たすもの】にとどまらず【クラスの状態を知るバロメーター】でもあるので、大切なのです。

給食からクラスを変える

この給食の時間を通しても、様々な指導が行われています。
給食指導と呼ばれる指導には、食事の準備や後片付け、食事中のマナー、食べ物への感謝、栄養素や食品の文化的な背景など様々なことが含まれます。

家庭では、お気に入りのドレッシングをかけて野菜を食べており、味が薄めの学校の給食はまずいという子どもも少なからずいます。
一方で、普段の家庭の食事では食べる機会のないような、海外のメニューなどが出されることにより、新しい世界を知ることもできます。
また、家では少人数や1人で食べることが多く、口に合わないからと食べたことのないものを、友だちと楽しく食べるうちに食べてみたら、美味しいと分かることも多いです。

こんな些細な1つ1つも、実は重要な教育の1つです。

現在の学校の給食は、私が育った頃よりもおしゃれでおいしいものがたくさん出ます。

例えば、私の大好物はカレーなのですが・・・
1か月の献立表のカレーの日には大きな赤丸がつきます。

これは、給食係の子どもの仕事です。
そして、カレーの日は、朝の学活の時には係の子どもが
『今日はカレーの日なので、手際よく準備をしましょう。』と連絡します。

どれだけ、カレー好きなの?って思いますよね。
そして、カレーを中心にまわるクラスって・・・

私はカレーは非常に好物ですが、他の給食も大好きなのです。
私が、稀にみる給食に命をかけるタイプの教師だったので、不思議なもので子どもたちも影響を受けてしまうのです。
私は、大人だから少なめに食べる~!ということはせずに、モリモリ食べます。
時には子どもと競って、誰よりも美味しそうに食べます。

非常に大人げない教師なわけですが(教師も給食費は払っているので相応分は食べて問題ないのですが)
そうすると・・・
特に女子は、『女性でもモリモリ食べても別に恥ずかしくないのか、』『私もしっかり食べよう!』となります。
男子も、モリモリ食べる女子をからかったりすることなく、むしろ皆競って食べます。
そして、私が『カレーを作った人リスペクトだわ!』などと1人ではしゃいでいるので、子ども達の中には自然と『作ってくれた方々に感謝していただく』姿勢が育まれます。実際に、そんな会話をちらほら耳にしました。

給食を分け終えた後に、給食が余ると希望者に配膳します。
私が、子どもたちの机を回って、配膳しますが、みんな積極的に希望します。

あまり人気のないおかずの時は、声をかけながら決して無理強いにはならないように配膳してまわります。
それにより、子どもの好き嫌いが分かったり、コミュニケーションが取れたりします。

何気ない給食の一コマですが、荒れているクラスだと、給食の時間は全く異なります。

給食係もきちんと機能しないので、配膳にも時間がかかり、教師も生徒もイライラ!
余ったおかずを配膳にまわっても、みんな『無視』!
いざ、食事が始まっても、会話もなく、『こんな中で食べられないよな!』と思います。
そして、残飯も非常に多く、午後は空腹で集中できなかったり、禁止されているお菓子を持ち込んで隠れて食べたり、帰りに買い食いをしたり。

今はコロナ禍で、無言で前を向いての食事だったり、家庭からの弁当持参だったり、状況が異なりますが
・給食の時間は、いつも楽しく、みんなが十分食べられる。
・誰かが給食をこぼしてしまっても、みんなで協力して片づける。

そんな日々の積み重ねで、少しずつ集団の雰囲気は変わっていきます。

給食は、『必要な栄養を補う』だけの時間ではなく、
『集団の質を高める』
『クラスの雰囲気を良くする』
『クラスの団結を高める』

大切な時間なのです。

まとめ

給食は、1日の食事の1回分に過ぎませんが、決してそれだけではありません。
給食の風景から、クラスや子どもの様子が分かり、更に、給食の時間を通して、【食事を楽しむ】時間を育むことができます。
この【食事を楽しむ】ことは非常に重要なスキルの1つでもあるのです。また、授業中とは異なる適度にリラックスした雰囲気も、子ども達の人間関係を構築するのに役立ったりします。
そして、給食の時間の過ごし方を通して、教育全体にも影響を与えることができるのです。まさに、【たかが給食、されど給食】だと思います。

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