こんにちは。パラリンピックも始まり、各種学校でも新学期が始まった学校、コロナ新規感染者等の増加に伴い、新学期の始まりが延期になったところ等、色々な混乱が見られます。実際に新学期が始まった学校でも、【密の回避】等感染対策には苦慮していますね。

ただでさえ、夏休み明けの新学期は、子ども達に様々な変化が現れやすい時期です。更に、コロナの感染拡大等により、子ども達の不安や負担が増加することは容易に想像できますね。

今日は、無理のない新学期の始め方や、家庭で気を付けることを紹介します。

子どもにとっての2学期とはどのようなものか

約1か月の休みを終えて始まる新学期は、子どもにとってどのようなものなのでしょうか。

以下は、教員時代に私が夏休み明けすぐに、こどもに行っていたアンケート結果です。

夏休みに満喫したこと

  • 部活動
  • 友達との遊び
  • 朝寝坊
  • 祭り
  • 遠出

2学期が始まって大変なこと

  • 早起き
  • 勉強
  • 文化祭の準備
  • 行事が多すぎる
  • 学校に来ること

2学期が始まり楽しみなこと

  • 色々な行事
  • 友達との生活
  • 部活

どうですか?比較的子ども(中学生)らしい意見だと思います。

学校が始まれば、月曜日には朝会があり、委員会活動などもあり、授業があり、学校のこまごまとしたルールがあり、好き勝手な生活ができません。
決まった時間に起きて、制服を着用して、準備をして学校に来る。これだけでも、実は結構なエネルギーがいるわけです。

一方で、保健室登校や、なかなか学校に来られない子ども、不登校の子どもの同様のアンケート結果が以下の通りです。

夏休みに満喫したこと

  • ゲーム
  • マンガ
  • 祭りなどのイベント
  • 外出

2学期が始まって大変なこと

  • 学校へ行かなければいけないこと
  • 休む理由を考えること
  • 会いたくない人に会うこと
  • 疲れること

2学期が始まり楽しみなこと

  • ない

通常は、いくら家にいても【学校へ行けない】罪悪感などで思うように好きなことができないものの、夏休みは堂々とすることができることが、嬉しいようです。一方で、2学期が始まっても楽しみなことは想像できず、【学校へ行かなければ】【何と言えば休めるか】【自分の居場所を探す大変さ】【苦手な人と一緒に生活しなければいけない苦しみ】などの負の感情を強く感じています。

そして、こういう子ども達の多くは、夏休み後半になると

  • 体調不良を訴える
  • 元気がなくなる
  • 怒りっぽくなる
  • 食欲がなくなる

などの変化を見せるようになります。

全ての子どもにとって、約1か月夏を満喫した後の学校生活は、色々な意味で負担がかかるのです。
そして、また学校生活に慣れるのには少し時間がかかります。

登校したほうが良いか

2学期が近づくと、こんな電話が多くきます。

少し前までは、学校行くって言ってたのに、最近雲行きが怪しいんです。

どうしたらいいですか?

「学校へ行くように説得して欲しい。」と言われることもあります。

実際、学校に来るように説得したことは一度もありません。可能な場合は、子どもと話をして、子どもの気持ちを聞いていました。

○○(同級生の名前)から無視されたり、文化祭に入れてもらえなかったりしたらどうしようと思うと、こわい。

だって宿題全然やってないし。どうせ部活来い!とか色々怒られるし。

等々、色々な理由があります。

大人がうまくサポートできれば乗り越えられそうなものから、問題の根が深いもの、場合によっては子どもの命に関わるようないじめなどが、大人の見えない所で起きていることも多々あります。

出典:「令和2年 児童生徒の自殺者数に関する基礎資料集」(文部科学省)

これは、毎年この時期、話題になる【子どもの自殺者数の推移】です。

例年、多くの地域で2学期が始まる9月1日は、最も子どもの自殺者が多い日です。
赤いラインの昨年を見ると、8月の自殺者が突出していることが分かります。コロナの影響による夏休み期間の短縮で、8月に新学期が始まった学校が多かった影響なのかもしれませんが、60人以上の子どもが自ら命を絶っているという現状は、非常に衝撃です。
この内訳は、小学生が1名、中学生が17名、高校生が46名です。

どんなに優しい子でも、スポーツが得意な子でも、学業優秀な子でも、自慢の子でも、命を絶ってしまえば、子どもを抱きしめることも、話をすることも聞くことも、何もできなくなるのです。

生きてさえいれば、学校へ行けなくても

  • 新たな興味や喜びを見いだせる
  • 生き甲斐に出逢える
  • 新たな仲間に出逢える
  • 自分が幸せになる場所を見いだせる

そんな可能性は無限にあります。

命を最優先するのなら、事情があって学校へ足が向かない、登校できない時に、どうすることが良いのか、自ずと答えは出ますよね。

親ができることは何か

では、子どもの様子がおかしい時、学校へ行きたがらない時、親ができることは何なのでしょうか。

夏休みの後半に、親御さんから相談があるたびに、私はこう伝えています。

注意深く子どもを観察して、お母さんはオドオドしたりイライラしたりせずに、いつも通りで、できれば話しかけやすい雰囲気をつくって下さい。

観察と言っても、部屋から出てこないし、言うことも聞かないから、ついイライラしてしまう!という親御さんが多いですが、幾つかポイントがあります。

観察のポイント

  • 子どもの生活時間
  • 過ごし方
  • 食事量
  • 出かける頻度
  • 周囲との接触の頻度
  • 誰と時間を共にしているか
  • 身につけている服や装飾品

特に睡眠時間は通常に比べて、極端に長くなっていないか、逆に短くなっていないか、昼夜逆転の生活になっていないかなどです。
そして、日中はずっと寝ているのか、外出しているのか、勉強しているのか、リビングなどでリラックスしているのか、通常と異なる様子がないかを見逃さないことが重要です。

現在は、なかなか自由に友人と遊んだり、外出したりできませんが、真夜中に出かけたりしていないか、無断で外泊などしていないか、どんな友だちや人と時間を共にしているのか等は、言葉遣いや動作、身につけているもの、衣服に着いたにおいなどから確認することができます。

2学期になると、明らかに髪の色を変えて登校したり、ピアスをあけてきたり、言動が非常に乱暴になったりする子が数名います。明確に分かる子どもの場合は、声をかけて話をしたり、何かアプローチをしたりすることができますが、本当に注意が必要な子どもは、そういうサインを明確には出さずに、1人で悩んでいる子どもです。

親ができること

1. 声をかけ続ける

  • そっとしておいた方が良いのかも?
  • 思春期だし、声をかけても・・・

どんな時も、子どもは機会を待っています。
勇気を出して、学校に行きたくない理由を話してしまうべきか、我慢するべきかと葛藤しています。親が、どんなに拒否をされても声をかけ続けることで【言い出すきっかけ】を与えられる可能性があります。

2. 共感だけして否定も修正もせず受け入れる

  • そうは言っても宿題やりたくないだけかもしれないし
  • 単なるワガママな子にはなって欲しくない
  • 辛いことから逃げないで欲しい

色々な親御さんの想いはあると思います。でも、子どもが本当に追い詰められている時、子どもが求めているのは正論でも、頑張れ!でもなく、まずは共感です。「そっか~それは、つらかったね。」これだけで、こどもは堰を切ったように感情をあらわにすることもあります。
子どもの言い分は、親からすれば【単なる怠け】に見え、【ずっと逃げても何も変わらない】と思うかもしれません。

小中学生の自殺の原因の上位に、親子不和、親からの叱責が入っていることも事実です。失恋が原因で自殺をする子どももいます。


でも、そんなことは子どもも分かっています。だから悩んでいます。それでも、頑張れないということは、【安心・休息】が必要なのです。
熱が39℃ある時に、「気合が足りない!薬を飲んで勉強しろ!」という親は通常はいないでしょう。
でも、心の不良は、数値などで見えない分厄介ですよね。場合によっては、専門的な治療が必要かもしれないし、薬を飲んで休んだ方が良いかもしれないし、少し休めば、すぐ元気になるかもしれません。

3. 頭は常に冷静に見守り、心は温かくして必要な時に手を差し伸べる

  • 学校から毎日登校を促されるし
  • 休み続けたら癖になるのでは?
  • 勉強はどうなってしまうのか?

色々な不安や心配が次々に頭によぎりますね。担任の先生から、毎日電話がかかってきて気まずいかもしれません。
でも、安心して下さい。お子さんが学校へ行かなくても、学校は潰れません。何の問題もないんです。
「勉強が遅れてしまいますよ。」「明日は来れそうですか?」本気で心配してくれる先生もいれば、仕事なので確認で連絡する先生もいます。

昨日は行くって約束したのに・・・すみません朝になったら無理で。

この連絡も非常に多いです。
私は、前日に子どもが言う「明日は行きます!」は信用していません。明日にならなければ体調なんて分かりません。
明日は行けるように頑張ろう!は良いことですが、約束する必要なんてないのです。

だから、親御さんも焦らないで下さい。
大切なのは、体面を保って学校へ行くことではありません。
子どもが元気に生きている、生きていくことです。

環境が変われば、リセットできる子どももいます。親御さんも色々苦しいでしょう。
でも、頭では冷静に、周りに振り回されることなく、その焦点を子どもに当てて、子どもが助けを求めた時には、温かな心で、その手を差し伸べて下さい。

4. 一番大切なのは子どもの命であることを伝える

ある、進学校で勤務していた時、学業不振が原因で、夏休み明けに命を絶った子どもがいました。
中学までは、優等生で、高校へ入学し部活動も学業も非常に大変な中で、努力しても思う様な結果が出ず、周囲の期待には応えられず、逃げ場もなく、1人苦しんだ末のことだったと思います。

自分に合った学校を選ぶことができたら、家族や教師に相談できたら、その子は今も幸せに生きたかもしれません。

全てが無くなってしまった後では、何も意味を持ちません。
楽しい未来を見ることなく、絶望の中で命を絶った本人は勿論、親御さん、家族、親戚、地域の人、今までその子に関わってきた多くの人たち。何を言っても、二度と元に戻すことはできません。

子どもの命より大切なものはありません。

まとめ

2学期が始まった今、この瞬間も小さな胸を痛めている子どもがたくさんいると思います。

今年は、2学期の始まりが例年と異なったり、コロナの影響で通常の登校でも多くの不安があったり、夏休みを十分満喫できずストレスをためていたり、例年以上に大人の心配りが必要だと思います。

2学期が不安でしかない子ども達に、親はどんなサポートができるのか。

  1. 声をかけ続ける
  2. 共感だけして否定も修正もせず受け入れる
  3. 頭は常に冷静に見守り、心は温かくして必要な時に手を差し伸べる
  4. 一番大切なのは子どもの命であることを伝える

今年はコロナの2年目で、ストレスを多く抱える子どもも多くいます。ぜひ、お子さんにいつも以上に目を向けて、もし、お子さんに思い当たることがあれば、すぐに声をかけて下さい。

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