こんにちは。
夏休み、そしてオリンピックがスタートしました。
色々と難しい状況ではありますが、この日の為に頑張ってきた選手の方にはベストを尽くして欲しいです。
さて、先日講演会に参加し、進路について考えるきっかけがあったので、今日は多様化する進路について考えてみたいと思います。
広がる選択肢

現在は、小学校、中学校、高等教育と選択肢が非常に増えています。
選択肢が増えた分、自分に合う進路を選択しやすくなっています。
中学校卒業後の進路は実際どれくらいあるのでしょうか。
通学型通信制高校、サポート校、オンラインでの授業をメインに行う学校など耳にすると思います。
実際は、それぞれの学校の特徴を完全に分かっている人は少ないのです。
私たちが【高校】と呼んでいるのは、全日制、定時制、通信制の高等学校を指すことが多いです。
この3つの違いは、学校に通う日数や時間帯、学習する方法です。
高等学校の選択肢(主な学校)
- 高等学校(全日制)
平日の昼間に授業を実施。
通学が必要。 - 高等学校(定時制)
平日の夕方~夜間に授業を実施。
通学が必要。
➡単位制、昼間の授業、3年で卒業可の場合あり等変化している。 - 高等学校(通信制)
課題のレポート等の自習形式。
通学が必須ではない。 - 中等教育学校(後期課程)
中高一貫の高校課程に当たる内容を学習する学校。 - 高等専門学校
実践的・創造的技術者を養成することを目的とした高等教育機関。 - 高等専修学校
中学校卒業者が専門的な知識や技術を学ぶ学校。 - 特別支援学校高等部
身体的・精神的に特別な支援を必要とする子ども達が通う

たくさんあって、どこの学校が自分に合っているか分からない~!

確かに、実際どんな所がどう違うの?という感じだね。
中学校では、進路説明会があります。
でも、学校の種類もよく分からない生徒達が、短時間で説明を聞いても全て理解するのは難しいです。
だから、「もっと早くに知っていれば~!」とならないように、早いうちから進路について考えることをおススメします。
それぞれの学校を知る【比較】

それぞれの学校には、どのような特徴があるのでしょうか。
全日制高校 | 定時制高校 | 通信制高校 | |
---|---|---|---|
授業形態 | 毎日通学&一斉授業 | 毎日通学&一斉授業 | 通学回数は年数回 |
年数 | 3年以上 | 3年以上 | 3年以上 |
資格 | 高校卒業資格 | 高校卒業資格 | 高校卒業資格 |
進路 | 大学(校)・専門学校・就職 | 大学(校)・専門学校・就職 | 大学(校)・専門学校・就職 |
その他の特色 | ?普通・工業・農業・商業科など ?入試:教科試験+面接・作文 ?進級に必要な単位がある | ?授業は夕方~夜の学校が多い ?入試:教科試験+面接・作文 ?働きながら学ぶ人も多い | ?通学しながら学ぶ学校も ?課題やプリントを自学 ?様々な学校がある |

この3つは、どれも同じような感じ。

最近は昼間の定時制もあるし、似た感じだね。
通信制は、最近は回数を選んで通う学校が増えてきているよ。
一番の違いは【単位】かな。
単位とは?:学習する教科の【学習量】
✅ 1単位時間:50分の授業
✅ 1単位:1回50分×1年間(35週間)
✅ 文部科学省が決めた基準
✅ 全日制?卒業には74単位以上必要
✅ 通信制は?単位数が少ない

通信制では、授業の代わりに自分でレポートや課題をやるんだね。
高等専門学校 | 高等専修学校 | 特別支援学校高等部 | |
---|---|---|---|
授業形態 | 毎日通学&一斉授業 | 通学&一斉授業 | 毎日通学&一斉授業 |
年数 | 5年(商船は+半年) その後2年の専門課程もある | 1年以上 | 3年以上 |
資格 | 準学士 専攻科修了?学士 | 国家資格やその受験資格 | 大学受験資格 |
進路 | 就職・大学編入・大学院 | 就職・専門学校・大学(条件あり) | 就職・訓練センター・自立支援施設 |
その他の特色 | ?専門的な技術者の養成が目的 ?就職率が非常に高い ?近年は大学編入希望者も多い | ?調理・看護・自動車整備等 ?条件を満たすと高校卒業資格に ?単位制・通信制もある | ?社会で必要な生活スキル ?障がいに合った専門的な支援 ?卒業=高校卒業資格ではない |

高等専門学校と高等専修学校って何か紛らわしい!

高等専門学校は、高校と大学が一緒になっている感じで、専門的。
高等専修学校は、中学卒業後入学できるのは限られた学校だね。仕事の基礎になる技術や知識が学べるよ。
各学校には、それぞれの特徴があります。
他には、【海外留学】【陸上自衛隊高等工科学校】【就職】【自分探し】と多くの進路があります。
では、学校に進学する場合は、どうやって学校を決めれば良いのでしょうか?
自分に合った学校の選び方

受験生指導の経験から、まずは次のようなことを考えてみると良いと思います。
☑ 学校の特色
☑ 通学方法や通学時間
☑ 入学基準(試験科目など)
☑ 進路状況
☑ 学費

天気の悪い日や、部活で朝が早い、夜が遅い時も毎日通学できるかは意外と大事です。
体力に自信がない場合には、比較的家から近い学校の方が良いでしょう。
その上で、自分の状況に合った学校をいくつか選んで、調べてみると良いでしょう。
学校見学や学校説明会がある場合には、積極的に参加してみましょう。
- 学校や通っている生徒の雰囲気
- 先生方の雰囲気
- 授業の様子やクラブ活動
実際に見てみると、
- その学校に進学したい気持ちが強くなる
- 自分が思っていたのと違うと気づく
色々と良いことがあります。
他には以下のような考え方も。
将来の希望が決まっている場合
おススメポイント
- 全日制・定時制高校?大学や専門学校への進学が必要な場合には、同じ目標を持つ仲間とともに学べる
- 高等専門学校?工業系・水産系の専門知識を学びたい場合には、発展的な学習や実験が多くできる
- 専修学校?美容・自動車整備・看護などの基礎知識や技術、資格の為の勉強ができる

建築の仕事がしたいので、少しでも早く専門的な勉強ができる全日制の工業高校を選びました。
建築の基礎を勉強する授業(設計図など)もあるので、楽しい。
大学進学を希望している場合
おススメポイント
- 全日制・定時制高校?同じ目標を持つ仲間とともに、大学入試対策ができる
- 通信制高校?自分のペースで大学進学の準備がしたい場合や、空いた時間も有効活用できる
- 高等専門学校?専門的な技術や知識を早くから学び、大学への編入もできる

中学時代はやりたいことが見つからず、全日制の普通科を選んだ。
今は、動物のことを勉強したいので、農学部か獣医学部のある大学に進みたい。
毎日学校に通うのは不安
おススメポイント
- 体調などに合わせて登校日数を選択できる
- 通学型の通信制の場合には、課題レポートのサポート等も受けることができて安心
- 単位制の学校も多く、教科の単位を落としても、留年の心配なく進級して翌年にもう一度勉強できる

私は、小・中と不登校で友達ができるか、毎日学校に行けるか不安で、通学タイプの通信制高校を選んだ。
今は週に3回学校に行ってる。先生も親切。
特定の技術を身につけたい
おススメポイント
- 高等専門学校?早くから発展的な学習や実験が多くできる
- 専修学校?美容・自動車整備・看護などの基礎知識や技術が学べる
- 全日制高校?普通・工業・水産科など色々な学科があり、大学や専門学校へ進学できる

ロボットに興味があり、高等専門学校が面白そうで選んだ。
実際、ロボットを自分で設計する活動など本当に面白い。
国語や数学などは苦手・嫌い
おススメポイント
- 通学型の通信制高校?自分に合ったサポートが受けられる
- 専修学校?美容・自動車整備・看護などの基礎知識や技術が学べる

僕は、色々あって高校入試に失敗し、希望する学校に入学できなかった。
最後に先生が自動車整備士の学校をすすめてくれた。自動車やバイクは好きなので学校は楽しい。
障がいがあり進学が不安
おススメポイント
- 通学型の通信制高校?自分に合った学習や生活のサポートが受けられる
- 特別支援学校高等部?障がい等に対してで専門的なサポートが受けられる

私はニュージーランドの高校を選んだ。
高校は全て英語で、よく分からない。サポートしてくれる先生はいるし、現地の子と仲良くなっている。
たくさんの選択肢はありますが、進学の準備は、すぐにはできません。
- 入試で有利になる○○検定の○級を取る
- 事前に学校が企画した宿泊を伴う合宿に参加する
- 勉強で足りない部分を補う
中学3年の秋の面談で「もっと早く準備していれば」と後悔する生徒もたくさん見ました。
後悔が無いように、早いうちから準備するにこしたことはないですね。
中学校での登校日数、生活態度、支援学級への参加の有無など、中学校に入った時から始まっている進路の選択もたくさんあります。
大変なこと+未来の後輩へ
✅ 勉強が進むのが速い
✅ 通学に時間がかかり疲れる
✅ 寮生活なので不便なことも多い
✅ 休みが多いと単位が取れない
✅ 部活がかなりハード
✅ 課題を自分でやるのが難しい
? 勉強はしっかりした方が良い
? 体力がない人は、近場の学校へ
? 学校見学は行った方が良い
? 友達に合わせた進路はダメ
? 高校入学がゴールではないよ
まとめ

学校により、勉強方法、卒業に必要な条件、卒業後の進路は変わってきます。
高校や専修学校は入学することがゴールではありません。
そこから、また新しい始まりです。
- 中学校の後の進路はたくさんある
- 自分に合った進路選択
?まずは各学校を知る - 進路の選択・準備には時間が必要
この夏、親子・友人同士で進路について考えてみませんか。